幼少期に留守番をした話
以下の記事の中で、ワンルームアパートに住んでいたことに触れたが、当時の生活を少し思い出しながら書いてみることにする。
離婚した母は、看護学校に通いながら准看護師の資格取得を目指していた。
収入のない人間が住める所は限られていて、母は病院から奨学金※を貰いながら病院の寮に住むことを選んだ。
(※資格取得後に、数年間病院で働くことを条件に貰える奨学金がある)
寮は風呂トイレ共用のワンルームで、夜になると廊下の電気が消える建物だった。
深夜まで勉強をしていた母の姿を思い出すことができる。
(母の勉強時間中は、私も勉強するよう言われていたので、嫌でも忘れられない。私も深夜まで勉強する必要があったため。)
数年後、准看護師の資格を取得した母は生活費を稼ぐべく働き始めたのだが、
親子で生活するためには夜勤も必要だった。
金が無かったため、どこかに私を預けることは不可能で、
小学校に入学する前ではあったが、一人で一夜留守番をしなければならなかった。
絶対に火を使うな、弁当は用意した、困ったら勤務先まで来い、と言われた私は母を見送った。
正直、母が不在のほうがテレビが見れたり、好きなことができるので嬉しかったのだが
、1点だけ嫌なことがあった。
それは、廊下の電気が消えてトイレに行くのが怖かったこと。
住んでいたアパートは虫がよく出現するし、トイレに到達するまでには、長く暗い廊下を歩いていく必要があった。
成人した今では、トイレに行くだなんて余裕なのだが、当時は本当に怖くてトイレを我慢していた。
何時間も我慢できるはずがなく、部屋にあったおむつ等々を活用して一夜を乗り切った記憶がある。
ただ、我が家は貧乏なので、おむつを買う金も惜しかったのだろう。
親にめちゃくちゃに怒られた。
この記憶が、人並みの生活をしたいという欲に繋がっていく。