水浸しの畳

小学生の頃、川の近くに住んでいた。

母子家庭だった当時、経済的な問題があり、住めるところは川の近くに建っている市営団地しかなかったのだが、それまで住んでいた場所が風呂トイレ共用のワンルームだったため、幼心に非常に嬉しく感じていた。

 

団地の側の川沿いには、住宅がいくつか並んでいた。

友人の家もその中にあったため、よく遊びに行っていた。

台風や大雨がやってくると川が増水し、住宅が浸水する地区だった。

友人の家も浸水していた。

私の住んでいた所は団地の最上階だったため、浸水している状況を心配しながら見ていた。

浸水の翌日は、家の扉に畳が干される光景が当たり前だった。

最初は驚いていた私も徐々に慣れてきた。

そして、物を知らなかった私は、台風がやってくると戸建の家は浸水するのが普通だ、という認識を持ってしまったのだが、年齢を重ねて誤認識であることを悟る。

数年が経ち、友人のお母さんに某宗教に勧誘されたり、発言に疑問を抱き始めた頃、私は別の場所に引っ越すことになる。

 

宗教に勧誘された話は後日書く予定。